vol.55 映画『 旅するパオジャンフー 』上映会 06/28(金)29(土)30(日)



野越え、山越え、歌い、踊って、薬を売って

滅び行く文化に賭けた青春

歴史の汗が抒情でにじむ


ヴェネチア映画祭 イメージの窓部門正式招待作品
台湾金馬奨映画祭正式招待作品
ウィーン映画祭正式招待作品


東田シネマvol.55は、映画 『 旅するパオジャンフー 』を上映します。

06/28(金)10:30/13:00/15:30/18:00
06/29(土)10:30/13:00/15:30/18:00
06/30(日)10:30/13:00/15:30/18:00

07/05(金)18:30   北方シネマ上映会へ!
北方シネマの会場は、小倉北区の北九州市立大学北方キャンパス本館A-101です。

予約一般1000円/当日一般1200円
大学・高校生500円/シニア(60歳以上)1000円
障害者手帳をお持ちの方は、1000円です。
会場:北九州市環境ミュージアム

江(かわ)も湖(うみ)も越えていく旅人、パオジャンフー(跑江湖)。

職業として文化としてやがては消えていくと自ら知りながら、不思議な活力に満ちた台湾の香具師(やし)パオジャンフーの魅力に迫る!




台湾の田舎道を、<新威殿>と書かれた古いバンを走らせ、パオジャンフーの葉一座は今日も旅に出る。座長の父がベンチャーズの音楽にのせて披露する火吹き芸が呼び物の一座で、17才の長男アホンが一人前になる事を期待されているが、恋人アレンとじゃれてばかりいる。

次に登場するのは、呉天羅老人。薬箱を肩に、月琴で弾き語る姿に台湾の歴史が滲む。そしてパオジャンフーの来歴を語る曽先生の一座と、蛇使いのアミンの派手なグループ。

どのパオジャンフーも、異様な活気でショーを演じ、薬を売る。そのひとりひとりに深い孤独の影が浮かぶ。やがて青年アホンは、<新威殿>を継ぐ決心をし、パオジャンフーの未来に夢を賭ける。パオジャンフーたちの旅は今日も続く・・・

パオジャンフー(跑江湖)とは?

“世間を渡り歩く”という意味で、現代中国語では、歌って、芸をし、物語を語りながら各地を回る人々のことをさす。多くのパオジャンフーは、一年のうち半年あまりを、車で日帰りできる距離の夜市をまわり、残りは台湾全土を旅して、ショーをしながら薬を売る。薬を売るだけのパオジャンフーもいる。台湾でも最も古い文化を持つ南部の嘉義市に本拠地を置いている。

国際的にも高く評価されている日本映画界の実力派たち!

監督は、人間を常に鋭く、力強く、既成の枠を越えて描き続け、79年に『十九歳の地図』で劇映画デビュー、『さらば愛しき大地』『火まつり』『チャイナシャドー』『愛について、東京』『カミュなんて知らない』と、常に問題作を発表、内外で高く評価されている鬼才、柳町光男。

撮影は、小川プロの伝説的カメラマンであり、ドキュメンタリーと劇映画の枠を自在に越えて数多くの作品を手掛けた世界的に知られる名手、田村正毅。豊かな自然や祭のイメージ、言葉の全てが真実とは限らぬパオジャンフーの姿を、悠然とおさめるカメラワークで全編に巧まぬ詩情をもたらした。柳町作品には3本参加。昨年5月死去。享年79。

音楽は、サックス奏者、作曲家、音楽プロデューサーで、J.S.バッハを独自に解釈した創作活動などで世界的に高い評価を受ける清水靖晃。人懐っこく爽やかなテーマが、ラテン的な気性で知られる台湾人のなかでも、典型的に楽天的なパオジャンフーたちの人生を鮮明に浮き立たせている。

そしてロケは、台湾の古い文化を最も多く留めていると言われ、パオジャンフーが活発に活動している嘉義市近辺を中心に行われた。また台湾での撮影には、映画監督で台北芸術大学の李道明と彼のスタッフが全面的に協力した。

スタッフ

出演:台湾のパオジャンフーの人々

監督:柳町光男
製作:酒井捷八
撮影:田村正毅
音楽:清水靖晃
ライン・プロデューサー:吉増晘造 藤田義則 宮内眞吾
エグゼクティブ・プロデューサー:山田邦男 瀧澤孝司
製作:ソニー株式会社
製作協力:NHKエンタープライズ21/スポニチテレビニュース社/DIMENSHONS COMMUNICATIONS..Ltd(台北)

1995/95分/日本/カラー/ドキュメンタリー