祖父が指さした山の向こうには、

失われた鳥猟の世界がありました。

映画『 鳥の道を越えて 』公式サイト

平成26年度文化庁映画賞 文化記録映画優秀賞
第88回キネマ旬報ベスト・テン 文化映画部門第一位
第2回グリーンイメージ国際環境映像祭 グリーンイメージ賞
第56回科学技術映像祭 内閣総理大臣賞

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東田シネマvol.19は、記録映画『 鳥の道を越えて 』を上映します。

06/24(金)13:30/15:45/18:00
06/25(土)13:30/15:45/18:00
06/26(日)13:30/15:45/18:00

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孫である監督は“鳥の道”を探し求めて旅に出る。

 禁猟後67年を経て、鳥と人間の関係を改めて見つめ直す。

日本に飛来する、 膨大な数の渡り鳥
「祖父の見た“鳥の道”を、見てみたい!」

映画の舞台は監督・今井友樹の出身地、岐阜県東白川村。あるとき祖父・今井照夫から、かつて故郷の空が渡り鳥の大群で埋め尽くされたという話しを聞かされる。孫である監督は“鳥の道”を探し求めて旅に出る。

人は渡り鳥のいのちを“生活の糧”にしていた
「鳥を捕って食べる?!」

渡り鳥 の大群が渡っていた時代、秋になると村では「カスミ網猟」が行われていた。捕って食べるためである。渡り鳥を「カスミ網」でどのように捕まえたのか。なぜ 渡り鳥を食べなければならなかったのか。そしてなぜ現在は禁猟になっているのか。旅の過程で生まれるひとつひとつの疑問を丹念に 追っていく。

鳥の道を越えた先には、何があるのだろう? 

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東濃地方ってどんな場所?

日本列 島の中央部に位置する岐阜県は、北部の飛騨地方と南部の美濃地方に分かれています。中でも美濃地方の東側を東濃地方とよび、緩やかな山々に囲まれていま す。東白川村は東濃地方の北部境にあります。人びとは少ない平地で作物を育てながら、林業や炭焼き・狩猟など、山に依拠した生活を営んできました。

日本は有数の渡り鳥の飛来地なのだ!

想像で きますか。かつて日本の空は渡り鳥の大群で埋め尽くされていたことを。その光景を目撃した時、人は何を思うのだろう?渡り鳥は、季節毎に住む場所をかえる 習性があります。冬鳥の場合、秋になると越冬のため、大小様々な鳥がロシアから大挙して日本に渡ってきます。その数、なんと約100種類!しかし、年々その飛来数が減少しているといわれています。

カスミ網猟って何なの?

秋の季節に渡って来る山越しの渡り鳥を捕獲する張り網のことです。 遠くから見ると網が霞んでみえることからカスミ網と呼ばれています。 1947年(昭和22年)にカスミ網猟は禁止されました。

写真家・堀内讃位が記録した世界

かつ て、日本には多彩な鳥猟がありました。網猟、モチ猟、罠猟・・・これらの多くは戦後、野鳥を保護するために禁猟となりました。禁猟前の鳥猟の様子を克明に 記録した写真家・堀内讃位。この映画では、祖父たちの証言と共に、彼が写した唯一ともいえる貴重な鳥猟の写真によって、途絶えた鳥猟文化を再現していま す。

今井友樹監督

1979年岐阜県東白川村生まれ。日本映画学校卒業後、日本各地の基層文化を映像で記録・研究する民族文化映像研究所に入所。所長の姫田忠義に師事しながら映像制作にかかわる。現在はフリーランスとして主に民俗や伝統文化の記録活動に携わっている。8年の歳月をかけて2014年春に本作品が完成する。今回が劇場公開の初監督作品である。

公式サイトより

監督:今井友樹
制作:鈴木正義/今井千洋
撮影:澤幡正範/川口慎一郎/永山正史/箕田朗子/佐藤孝博/今井洋介/早川正文
録音:高木 創
作図:岩井友子
音楽:姫田 大(フルート)
監修:佐藤文男(公益財団法人山階鳥類研究所)
共同制作:CINE-CLIMB
製作:工房ギャレット
助成:文化芸術振興費補助金/公益財団法人トヨタ財団
企画・制作・配給:工房ギャレット

2014年/日本/93分/ドキュメンタリー