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▼北方シネマ
熊本県で訪問介護の仕事をしている林恵子、67歳。子どもたちはすでに独立。休日は友人らとカラオケや居酒屋に通い、一見平穏な日常を送っている。しかし恵子には、家族や親しい友人にも語ってこなかった、ある秘密があった。
それは実の姉が北朝鮮にいるということ。
20歳上の姉、愛子は1960年に在日朝鮮人の夫とともに北朝鮮に渡っていった。“謎の隣国”で目にする未知の世界。それはその後の恵子の人生をも変えていく…。
半世紀以上にわたり、政治や時代に翻弄されてきた家族たちの姿を描く異色のドキュメンタリー作品。
■本作へのコメント
高野秀行(ノンフィクション作家)
パラレルワールドのような北朝鮮の不思議さに驚かされ、タイムトラベルのよう な姉妹の再会に胸を突かれる。 こんなSFっぽい社会派ドキュメンタリーは見たことない。
赤江珠緒(フリーアナウンサー)
愛する人と築き上げるホームが持ちたかった。そんな誰だって思い描く夢。 でも誰も、それまでのホームを失うことなんて想像はしないはず。 「はしたない姉より」そんな言葉で何通もの手紙をとじていたけれど、新しい土地で凛と生きてきたお姉さんを心から尊敬する。生きていてくれてありがとう。
金平茂紀(ジャーナリスト/TVキャスター)
「あの国」への憎悪の原点を考えるために——— 「あんな連中、帰ってくれた方がありがたい」。右も左もなく国策として遂行された「あの国」への帰国事業は一体何だったのか。運命に翻弄された日本人女性のその顔には深い皺が刻まれていた。家族の再会を阻む国と国との敵対関係を超えるヒューマニズムの視点を、僕らはいつから放りだしたのだろうか。
林典子(写真家)
「人間は歳をとっても明日を信じ、死ぬまで明るく生きるのよ」——— こう語る中本愛子さん。その凛とした愛子さんの生き様と人生の厚みが深く刻まれた、皺が美しい。朝鮮の大切な家族を守りながら、日本の家族に伝えきれない思いを心に秘め、北朝鮮で強く生きてきた60年。日朝間の複雑な歴史に翻弄され、半世紀以上交わることのなかった姉妹の人生と記憶が、ようやく紡ぎ合っていく。
大島新(ドキュメンタリー監督)
ラストの姉から妹への手紙に胸を締め付けられる。中本愛子さん、あなたは決して「はしたない姉」なんかじゃない。本当に「はしたない」のは、あなたのような人を「自己責任だ」と切り捨てる人間であり、そうした風潮をいつの間にか許してきた日本の社会である。
神谷丹路(翻訳家、日朝・日韓史研究者)
誰にも相談できず、すべては身内の恥として隠され続けてきた家族の歴史。しかし、これは拉致問題の影で日本政府が放置してきた日本人の人権問題であり、日朝間の人道問題なのだ。死ぬ前に「1泊、いえ2時間でいいから」という墓参の願いが切ない。日朝にまたがる肉親たち。いまだ語られぬ58年の日々。恵子さんの静かな勇気にエールを送りたい。
■帰国事業とは
国民的な熱狂の中、送り出された「帰国者」の中には日本人の妻、約1,800人が含まれていた(子どもを含めると日本国籍保持者は約6,600人)。
「3年経てば里帰りできる」。当時流布されていたその言葉を信じ、未知の国に渡った日本人女性たち。しかしその後、日朝政府間の対立が続き、彼女たちの消息はほとんどわかっていない。
東田シネマ分館
上津役シネマ 第6弾!
映画『ちょっと北朝鮮までいってくるけん。』 上映会
撮影・監督・プロデューサー:島田陽磨
撮影(2018年冬季撮影):利満正三
▼上津役シネマ
06月19日(日) ①10:30 ②13:30
会場:(株)ニッサブ2F 夢宙空間ホール
八幡西区上上津役4-22-2
八幡西区上上津役4-22-2
お問合せ/ご予約:090-8407-9785(山口)
観賞料:
観賞料:
一般 前売(ご予約)1000円|当日1200円
大学・高校500円
シニア1000円
障碍者(手帳ご提示)1000円
中学生以下無料
▼北方シネマ
06月10日(金)18:00~21:00
*映画に登場する林さん親子、島田監督が来学講演
会場:北九州市立大学 北方キャンパス A101教室
小倉南区北方4-2-1
会場:北九州市立大学 北方キャンパス A101教室
小倉南区北方4-2-1
お問合せ:080-6458-1184|平日11~17時 水曜を除く
06月11日(土)10:00
*製作者、出演者による講演予定あり。
会場:小倉北区魚町4-2-9 TEL 093-551-4938
葛藤、断絶、そして58年ぶりの劇的な再会…
熊本県で訪問介護の仕事をしている林恵子、67歳。子どもたちはすでに独立。休日は友人らとカラオケや居酒屋に通い、一見平穏な日常を送っている。しかし恵子には、家族や親しい友人にも語ってこなかった、ある秘密があった。
それは実の姉が北朝鮮にいるということ。
20歳上の姉、愛子は1960年に在日朝鮮人の夫とともに北朝鮮に渡っていった。“謎の隣国”で目にする未知の世界。それはその後の恵子の人生をも変えていく…。
半世紀以上にわたり、政治や時代に翻弄されてきた家族たちの姿を描く異色のドキュメンタリー作品。
■本作へのコメント
高野秀行(ノンフィクション作家)
パラレルワールドのような北朝鮮の不思議さに驚かされ、タイムトラベルのよう な姉妹の再会に胸を突かれる。 こんなSFっぽい社会派ドキュメンタリーは見たことない。
赤江珠緒(フリーアナウンサー)
50年以上前に妹に結ってやった三つ編み……。 国同士の思惑の前には、無力感も漂う。 ただ、その光景を前に、「自己責任」という言葉を選ばない優しさぐらいは持っていたい。
伊藤詩織(映像ジャーナリスト)
伊藤詩織(映像ジャーナリスト)
愛する人と築き上げるホームが持ちたかった。そんな誰だって思い描く夢。 でも誰も、それまでのホームを失うことなんて想像はしないはず。 「はしたない姉より」そんな言葉で何通もの手紙をとじていたけれど、新しい土地で凛と生きてきたお姉さんを心から尊敬する。生きていてくれてありがとう。
金平茂紀(ジャーナリスト/TVキャスター)
「あの国」への憎悪の原点を考えるために——— 「あんな連中、帰ってくれた方がありがたい」。右も左もなく国策として遂行された「あの国」への帰国事業は一体何だったのか。運命に翻弄された日本人女性のその顔には深い皺が刻まれていた。家族の再会を阻む国と国との敵対関係を超えるヒューマニズムの視点を、僕らはいつから放りだしたのだろうか。
林典子(写真家)
「人間は歳をとっても明日を信じ、死ぬまで明るく生きるのよ」——— こう語る中本愛子さん。その凛とした愛子さんの生き様と人生の厚みが深く刻まれた、皺が美しい。朝鮮の大切な家族を守りながら、日本の家族に伝えきれない思いを心に秘め、北朝鮮で強く生きてきた60年。日朝間の複雑な歴史に翻弄され、半世紀以上交わることのなかった姉妹の人生と記憶が、ようやく紡ぎ合っていく。
大島新(ドキュメンタリー監督)
ラストの姉から妹への手紙に胸を締め付けられる。中本愛子さん、あなたは決して「はしたない姉」なんかじゃない。本当に「はしたない」のは、あなたのような人を「自己責任だ」と切り捨てる人間であり、そうした風潮をいつの間にか許してきた日本の社会である。
神谷丹路(翻訳家、日朝・日韓史研究者)
誰にも相談できず、すべては身内の恥として隠され続けてきた家族の歴史。しかし、これは拉致問題の影で日本政府が放置してきた日本人の人権問題であり、日朝間の人道問題なのだ。死ぬ前に「1泊、いえ2時間でいいから」という墓参の願いが切ない。日朝にまたがる肉親たち。いまだ語られぬ58年の日々。恵子さんの静かな勇気にエールを送りたい。
■帰国事業とは
1959年から1984年にかけて行われた在日朝鮮人とその家族による北朝鮮への集団的な移住。日朝両政府のそれぞれの思惑から始められ、当時の日本中のメディアも北朝鮮を「地上の楽園」と持ち上げ、後押しした。9万3千人以上が参加したが、そのほとんどが実際は、朝鮮半島南部、現在の韓国の出身者だった。
国民的な熱狂の中、送り出された「帰国者」の中には日本人の妻、約1,800人が含まれていた(子どもを含めると日本国籍保持者は約6,600人)。
「3年経てば里帰りできる」。当時流布されていたその言葉を信じ、未知の国に渡った日本人女性たち。しかしその後、日朝政府間の対立が続き、彼女たちの消息はほとんどわかっていない。